↑主翼の有効面積の図

旋廻時の横滑りと主翼の上反角形状

「飛行機が傾けば横滑りして落ちる!」・・・はずですが、主翼に上反角がついた機体は横滑りに対して幾分ブレーキが掛かっています。

水平飛行時の主翼の有効面積は100%。
15度バンク時の主翼の有効面積は96%。
30度バンク時の主翼の有効面積は87%。

一旦はバンク時の主翼の有効面積を持ち出しましたが説明が付きませんでした。新たな仮説を立てて頭を整理します。

上反角には旋廻時の横滑りに対して反作用がある。さて、どれくらい?

単板翼

← 単板翼の横滑りを防止する面積は翼厚と等しく、圧倒的に足りない。

単なる板翼の場合は”ほんの少し傾けただけ”でも横滑りが待っています。姿勢の復元性もないと考えられます。
側面積が十分にある胴体やウイングレット(翼端板)と組み合わせなければ飛ばしづらい翼形状と言えます。

ファンフライにはよく見られる主翼形状ですが滑空機には不向きでしょう。
翼端上反角(一段上反角)の主翼

← 分力と合力の平行四辺形を書き込んで横滑りに対する反作用を求めてください。

バンク角が浅いときは問題のない旋廻ができますが、図のものだと30度以上バンクさせると細身胴体の機体では横滑りを起こして高度を大きく落とすことになりそうなのでバルサ製の角胴を持った機体と組み合わせることになるでしょう。

この形の主翼は過度の軽量化さえしなければ製作が容易で「バルサ組の入門」にはて最適の部類だと思います。
二段上反角の主翼

← 分力と合力の平行四辺形を書き込んで横滑りに対する反作用を求めてください。

この主翼は上記(一段上反角)の主翼と同量の上反角を2箇所に割り振って二段上反角としています。

一段上反角の主翼に比べて「粘る」とでも言いましょうか?旋廻時に大きくバンクさせても横滑りが少ないので思い切った舵を打てます。一段のものと合計が等しい上反角とは信じられないほどです。

SAL機に使うのでなければ三段上反角やウイングレットが欲しくなりました。
まとめ
今回の考察で上反角は2段以上欲しいと思うようになりました。そして、角度を付けるなら翼端に1度よりも中央に1度です。

また、旋廻時の翼面加重が気になるので今後の翼面加重の計算は
@ 水平飛行(100%)の翼面加重
A 30度バンク時(87%)の翼面加重
 を行うことにします。

三段以上の上反角なども気になりますが、ランチの問題があるのでSAL機には二段上反角の主翼を採用することにしました。

深い一段上反角は気になりますけど・・・
(機体あれこれ)

                    

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